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大注目のRTX 3080を活かすには高性能CPUが不可欠――それなら賢い選択肢は「Intel Core i9-10850Kプロセッサー」! - PC Watch

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 2020年9月17日、NVIDIAの最新GPU「NVIDIA GeForce RTX 3080」を搭載したビデオカードの販売が、ついに始まった。同価格帯の従来製品、GeForce RTX 2080に対して最大2倍のパフォーマンス、上位グレードの従来製品、GeForce RTX 2080 Ti以上の性能を持っている。すでに世界で争奪戦と言ってよいほどの人気となっているが、ハイエンドGPUの性能を引き出すには高いCPU性能が欠かせない。ゲームによっては、CPU性能が不足するとフレームレートが伸びないことがあるためだ。

 ゲームに強いIntel環境なら、個人向けとしては最上位になるCore i9-10900Kが性能的にはベストだが、高額なGPUに予算を割くためにも、コストパフォーマンスが良好なCPUを選びたいという方も多いはず。そこで注目したいのが最新のIntel Core i9-10850Kだ。

CPU-Zで表示したCore i9-10850Kの仕様

 Core i9-10850Kは、実売価格はCore i9-10900Kよりも1万円近く安いものの、スペックの違いはわずかに動作クロック100MHzの差のみ。この100MHzの違いは、動画エンコードなど全コアに大きな負荷がかかる処理ならわずかに差となって現われるが、ゲームではほとんど変わらないレベルになる(詳しくはこちらの記事も参照)。

PCMark 10の計測結果

 参考までに、Core i9-10900K、Core i9-10850K、Core i7-10700KでCGレンダリングを用いたベンチマーク「PCMark 10」を実行した結果を掲載する。Core i9-10900KとCore i9-10850KのStandardのスコア差は約1%しかない。Core i9-10850Kを全コア5GHzにOCすれば逆転してしまう程度の差だ。これで1万円の価格差があることを考えると、Core i9-10850Kがいかにお得なCPUか分かるだろう。

ハイエンドGPUが真の実力を発揮できるのはハイエンドCPU環境!

 さて今回は、話題のGeForce RTX 3080とCore i9-10850Kを組み合わせた自作PCを組み、その性能を試してみたい。4K解像度&高画質設定での60fpsを越える快適プレイ、フルHD解像度でのフレームレートの伸びなどに注目したい。

 ちなみに、9月24日はさらに上位モデルの「GeForce RTX 3090」も発売されたが、こちらは従来TITAN RTXがになっていたエンスージアストやクリエイター向けという位置付けで価格も跳ね上がる。ヘビーゲーマー向けとしてはRTX 3080が実質ハイエンドと考えていいだろう。

 それでは今回の作例で使用するパーツを紹介しておこう。まずは主役のビデオカードだ。

ビデオカード:ASUSTeKのTUF-RTX3080-O10G-GAMING(実売価格100,000円前後)

 GPUにGeForce RTX 3080を搭載するASUSTeKの「TUF-RTX3080-O10G-GAMING」だ。ミリタリーグレードのコンデンサを使用するなど耐久性の高さが特徴のTUFシリーズらしく、3連ファンにはデュアルボールファンベアリングを採用し、安定性と長寿命を実現。中央のファンを逆回転させることで風の流れの乱れを軽減している。2.7スロット厚の大型ヒートシンクを採用、GPUが接触するヒートスプレッダの表面の滑性をミクロレベルで向上させることで熱伝導率を高めるなど、徹底した熱対策が行なわれている。

中央のファンを逆回転させることで乱流を軽減するという
映像出力はDisplayPort×3、HDMI×2
補助電源は8ピン×2
上部にはパフォーマンスと静音モードの切り換えスイッチがある。今回のテストはパフォーマンスモードで行なった

 CPUはすでに紹介しているが10コア20スレッドのCore i9-10850K。第10世代Core i9の特徴である、最大クロックを2コアだけ引き上げる「Intel Turbo Boost Max Technology 3.0」(TBM3.0)、CPUの冷却に余裕があるときに1コアまたは全コアの動作クロックを引き上げる「Intel Thermal Velocity Boost Technology」(TVB)に対応。TBM3.0は最大5.2GHz、TVBは1コア時で最大5.3GHz、全コアで最大4.9GHz駆動だ。倍率アンロックのK型番なので、オーバークロックができるのもおもしろいところ(自己責任ではあるが)。発売直後の実売価格は62,000円前後だったが、原稿執筆時点の9月下旬は57,000円前後まで下がり、さらにコストパフォーマンスは向上している。

CPU:IntelのCore i9-10850K(実売価格57,000円前後)

 ビデオカードにより資金を回すために、CPUには1万円台から購入できる4コア8スレッドの第10世代のCore i3シリーズをチョイスしてはどうか?と考える方もいらっしゃるかもしれない。しかしこれでは、RTX 3080が持つ現役最高レベルの性能をイマイチ活かしきれない。

 現在のゲームではCPUパワーが足りないと、ビデオカードがボトルネックにならないフルHD解像度でフレームレートの差が顕著に出てしまう。試しに、Core i9-10850Kの動作を4コア8スレッドに制限した場合のフレームレートを見てみよう。

CPU定格動作時および動作コア数制限時のレインボーシックス シージのテスト結果

 Core i9-10850Kが通常の10コア20スレッド時と4コア8スレッド制限時では平均フレームレートで43fpsも差が付いている。フルHDの高リフレッシュレート液晶は300Hzを超えるものも登場している。少しでもフレームレートを稼ぎたいなら、CPUパワーは重要なのだ。

マザーボード:ASUSTeKのTUF GAMING Z490-PLUS(実売価格24,000円前後)
12+2フェーズの電源回路は、ガッシリとしたヒートシンクを備え熱対策も万全

 次はマザーボードだ。CPUがCore i9-10850Kなので、必然的に倍率アンロックに対応したZ490チップセット搭載モデルとなり、ここではASUSTeKの「TUF GAMING Z490-PLUS」を選択した。Z490では比較的低価格ながら、DrMOSによる12+2フェーズの強力な電源回路を持ち、10コア20スレットのCPUも安心して運用できる。

CPUクーラー:ASUSTeKのTUF GAMING LC 240 RGB(実売価格19,000円前後)

 CPUクーラーは冷却力を重視して24cmクラスの簡易水冷、ASUSTeKの「TUF GAMING LC 240 RGB」とした。ファンと水冷ヘッドにRGB LEDが内蔵されている。ビデオカード、マザーボード、水冷クーラーすべてがASUSTeK製なので、LEDを同社のライティングコントロール機能「Aura Sync」で一括設定できるのが便利だ。

ストレージは1TBのNVMe SSD、メモリはDDR4-3200が16GB(8GB×2)、電源は750W。PCケースはコンパクトで扱いやすく、デザインも秀逸なNZXTのH510を使用した
すべてのパーツを組み込んだところ。ビデオカードはカード長29.99cmと大型だが、まだ奥行きには十分余裕がある。裏面配線しやすいケースだと内部のケーブルをスッキリさせやすい

 メモリは上部にRGB LEDを備えるDDR4-3200対応のKingstonの「HyperX FURY DDR4 RGB HX432C16FB3AK2/16」(8GB×2)、SSDは1TBのNVMe SSDとしてはコスパが良好なIntelの665p SSDPEKNW010T9X1、電源はRTX 3080の推奨電源出力でもある750WのAntec NeoECO GOLD NE750G(80PLUS Gold)、PCケースには裏面配線しやすくメンテナンス製の高いNZXTの「NZXT H510」をチョイスした。

 大型のビデオカード、水冷CPUクーラーを悠々組み込むことができ、かつ仕上がりはコンパクトというのが今どきの自作PCのスタイルだ。

【今回の作例の構成/仕様】合計:243,000円前後
カテゴリー 製品名 実売価格
CPU Intel Core i9-10850K
(10コア20スレッド)
57,000円前後
マザーボード ASUSTeK TUF GAMING Z490-PLUS
(Intel Z490)
23,000円前後
メモリ Kingston HyperX FURY DDR4 RGB HX432C16FB3AK2/16
(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)
11,000円前後
グラフィック ASUSTeK TUF-RTX3080-10G-GAMING
(NVIDIA GeForce RTX 3080)
100,000円前後
ストレージ Intel SSD 665p SSDPEKNW010T9X1
[M.2(PCI Express 3.0 x4)、1TB]
13,000円前後
PCケース NZXT H510 CA-H510B-W1
(ATX)
9,000円前後
電源ユニット Antec NeoECO GOLD NE750G
(750W、80PLUS Gold)
11,000円前後
CPUクーラー ASUSTeK TUF GAMING LC 240 RGB
(水冷、24cmクラス)
19,000円前後
液晶ディスプレイ:ASUSTeKのROG Strix XG258Q(実売価格63,000円前後)

 さらにこれら高いスペックを活かすべく、液晶ディスプレイとしてASUSTeKの「ROG Strix XG258Q」を用意した。XG258Qは24.5型のフルHD液晶、240Hzの高リフレッシュレートに対応。つまり1秒間に240フレームの描画が可能と、高いGPU性能を活かすのにもってこいのディスプレイだ。画面のズレを起こすテアリングやカクつきを起こすスタッタリングを防ぐ“NVIDIA G-SYNC”と“AMD FreeSync”にも対応している。

入力はDisplayPort×1、HDMI×2の3系統あるため、PCと家庭用ゲーム機など複数の機器も接続しやすい

 詳しいフレームレートは下記のベンチマーク結果を見ていただきたいが、高フレームレートを出せるレインボーシックス シージやフォートナイトをXG258Qでプレイしてみた。リフレッシュレート240Hzは一般的な60Hzとは別世界だ。

 とくに振り向きなど、一気に画面が動くようなシーンでは60Hz液晶では描画が追い付いていないと感じるが、240Hzならよい意味で気持ち悪いほどなめらかに描画する。当然、敵の動きもなめらかになり、その存在に気付きやすく、そして銃で狙いやすくなる。つまり、対戦プレイでの成績向上、勝利に直結する操作感になる、ということなのである。せっかくRTX 3080を使うなら、液晶も高リフレッシュレートにすることをオススメしたい。

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