オートモビルカウンシル2020、ヤナセのブースに、クラシックカーやビンテージカーに似つかしくないロボットアーム状の機器が展示されていた。よく見ると、それは3Dレーザースキャナーを装着したアームだった。
クラシックカーやビンテージカーのメンテナンスの悩みの種は、補修パーツの入手だ。マニア向けのスワップミートや、オートモビルカウンシルのような見本市で(車ごと)探すという方法がある。現物や図面から同じ部品を作るという方法もある。オーナーが多く、ビジネスが成り立てば、メーカーやアフターマーケットが独自の純正同等部品を販売することもある。
日本では、OEMメーカーによる復刻パーツがちょっとしたブームにもなっているが、車検制度が緩いアメリカやクラシックカーの保存文化がある国では、旧式のエンジンが新品で手に入ることもある(OEMメーカー、アフターメーカーが製造してくれる)。
製品としての製造手段がない場合、現在なら3Dプリンタで同じものを作ることもできる。素材によっては形だけ同じでも強度や剛性、塑性がまったく異なるので代替部品にならないこともあるが、条件さえあえばこの手法が使える。
このとき図面があれば、最新のCADソフトで同じ部品を設計、製造することも可能だが、現物しかない場合は3Dスキャナの出番となる。走査線のようにレーザーを対象全体にあてれば、その立体形状の3Dデータを瞬時にモデル化してくれる。どうしても影が残る部分、対象以外のデータ、微妙な形状など、手作業や計算による補正が必要だが、これで図面がなくても部品をつくることはできる。
展示してあったのは、このようにして作られたビンテージカーの樹脂パーツや金属パーツだ。メルセデスのルームランプのソケットを固定するベース、光軸調整用の樹脂製ギア、コンビネーションランプなどが3Dプリンタ、またはスキャニングデータによって成形されていた。
ランボルギーニ『ミウラ』のヘッドライトレンズカバーというのもあった。本物は当然ガラス製だが、これを樹脂で再現する。他にもビンテージカーのオリジナル形状に合わせたアルミホイールもあった。これらの用途は「お出かけ用」だそうだ。ホイールは走行中の傷は避けられない。同じ形状、見た目のホイールを作れば、気兼ねなく走行会やイベントにも参加できる。
ヘッドライトは、実物と同じカットを施す必要があるので3Dプリンタで出力というわけにはいかず、ワンオフでの製作となるそうだが、ホイールはデータがとれれば20万円前後からという値段で作れるそうだ。
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August 01, 2020 at 10:30AM
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3Dスキャン、復刻パーツでビンテージカーも気兼ねなく…オートモビルカウンシル2020 - レスポンス
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