2021年秋冬パリ・オートクチュール(高級注文服)コレクションが今月初旬に開かれた。老舗ブランドの復活や革新的な協業、新素材や技術の開発など、オートクチュールの「モードの実験場」としての存在感が久しぶりにぐっと迫ってくる内容だった。
今季の一番の目玉は、老舗バレンシアガの53年ぶりの復活。「真のクチュリエ(主にパリ・オートクチュールの主任デザイナー)」と呼ばれ、20世紀を代表するデザイナーのひとりである創始者クリストバル・バレンシアガ以来の発表だ。
手掛けたのはこのブランドのプレタポルテ部門のデザイナー、デムナ・ヴァザリア。創始者のシンプルで彫刻的なフォルムや知性的なムードと、ヴァザリアの極端なオーバーサイズやジェンダーレスなどストリートスタイルのような要素を用意周到にマッチさせて、極めてモダンな感覚の服をそろえた。
創始者の有名なコクーン(繭)やバレル(たる)形シルエットは、布が体から離れた造形はそのままに、スポーツウェアのディテールが施されている。裾が波打つワニ革風なスカートは、コンピューターで編集したパッチを手作業でつないだ。過去と現在、古い物と新しい物、職人技とハイテクの融合。先人への敬意と刷新。ヴァザリアは「クチュールは衣服構造における最高レベルであり、今日の大量生産を行う産業という問題との関連だけでなく、現代のファッションデザインのさらなる進化においても欠かせない」とコメントした。
もうひとつのニュースは、大御所ジャンポール・ゴルチエがサカイのデザイナー阿部千登勢と協業して制作した作品の披露だ。オートクチュールの新しい展望を発信するために、ゲストデザイナーを招いて物作りをする企画の第1弾。こちらも、ゴルチエの前衛性やクラシシズム(古典主義)と、阿部のスポーティーでフェミニンなミックススタイルの結びつきがパワフルな作品を生んだ。
歌手マドンナが着たことで知られたゴルチエのコーンブラは、阿部らしいトレンチコートを解体したようなドレスに付けられた。阿部の得意なミリタリーブルゾンは優雅なケープ風に仕立てられた。
鬼才ジョン・ガリアーノによるメゾン・マルジェラも革新的だった。仏オリビエ・ダアン監督が1時間に及ぶ本格的な映像を制作。万物との「共生」を感じさせる物語の中で、古新聞を手刺繡(ししゅう)で埋め込んだ服などを演者が着た。デッドストックの布で約10倍のサイズの服に仕立て、酵素とストーンウォッシュ加工で実寸まで縮めて独特の質感を出すなどアップサイクルの試みも。
クリスチャン・ディオールは…
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July 17, 2021 at 12:00PM
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「モードの実験場」真骨頂 21年秋冬オートクチュール [ファッション] - 朝日新聞デジタル
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