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恋愛のトラウマから脱却 演劇ワークショップで過去を上書きする【○○が好きすぎて副業になっちゃいました】(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

【○○が好きすぎて副業になっちゃいました】#36

 どうしても執着してしまう過去の恋愛を吹っ飛ばすワークショップを副業にしている人がいる。舘そらみさん(35歳)だ。

 そらみさんの経歴は独特だ。ODA事業で働く父のもと、小学生までトルコやコスタリカで育つ。国際的な不平等を強く感じ、政治で解決しようと慶応大学法学部政治学科に入学。しかし、政治家たちの自意識の強さに絶望して政治の道を諦め、世界の現状と向き合う覚悟を決めるため、紛争地を回る。しかし、そこで感じたのは、自分の力の限界だった。

「私は自分という存在を飛ばしてしまって他者に憑依してしまうような傾向があります。紛争地から戻ってからは創作したい衝動が抑えられず、23歳で劇団を立ち上げました。30歳くらいまでは脚本でのリアリティーを増すために、意識的に他者の行動原理や思考回路を想像する訓練をしていました。臨月の妊婦の体や精神はどういう感じなのか、ケガをしているスポーツマンはどうなのか。それがメタ認知を扱う恋愛演劇ワークショップにつながります」(そらみさん)

 そらみさんの本業は映画やドラマの脚本制作と舞台演出。映画「私たちのハァハァ」やドラマ「来世ではちゃんとします」などを手掛けた。

 では、プロが監修する恋愛ワークショップはどんな内容なのか。

「まず、自分の中でトラウマになっている恋愛体験を演劇にしてみます。そこから現実とは違う理想的なバージョンに作り変えていきます」

参加者と一緒にトラウマから脱却する

 ワークショップでの事例を一つ教えてもらった。

 自分の彼氏を親友にとられてしまったAさん。現実では、彼と親友が一緒にいるところに出くわし、Aさんは感情を押し殺して苦笑いで終わってしまった。しかし、Aさんは、彼だけでなく親友とも関係性が崩れたショックで本当は笑えるような精神状況ではなかった――。ここから理想バージョンに作り変えていく。3人での世間話が終わって「じゃあね」と別れた瞬間に彼と親友の背中に向かって「おまえらふざけるな。黙っている人間がいるからって調子に乗るんじゃねーよ。おまえたちに利用されるだけの人生にだけは絶対にしねえぞ」と凄むシーンになった。我慢していた魂の叫びと言える。

「自ら演じるのではなく、別の参加者と演じ合うのがミソでして、ワークの中で参加者は仲間となり、トラウマから脱出できるように、迫真の演技をしてくれます。仲間の共感力、優しさ、強さに触れて、感動して泣く人もいます」

 自らの恋愛を客観視するには十分すぎるほどの設定となっている。恋愛ワークショップによる収入と仕事観について聞いた。

「私はワークショップ以外にも、コミュニケーションロボットの会話(トークスクリプト)を構成したり、コラムを執筆したり、ほかのワークショップを主催したりし、多くのことを仕事にしています。その領域のことが好きで始めるなら、まずは採算を考えずに経験を増やす時期も必要だと思います。経験を踏んで、人脈をつくって、自分がいないと仕事が回らない状態になってくると自然に対価が発生します。自分のやりやすい理想的な場をつくってしまってから収入がついてくる方が長続きすると思います。恋愛ワークショップは、いままでに3回ほど共催して、毎回の参加者は20人程度です。1回の売り上げ自体は5万円くらいですね。私の利益になるのは、売り上げの半分以下程度かなあ。正直お金のことはあまり気にしていません。多くの人の人生を見つめてもらう機会になったら、こちらがお金を払いたいくらいの気持ちになります」

 共感する力、メタ認知能力は、政治活動にはならなかったが、脚本やワークショップとして生きている。

(石塚集)

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May 21, 2020 at 07:26AM
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